Lucideonは、重要産業のサプライチェーン全体におけるレジリエンスを強化するため、英国に最先端のセラミック基複合材料製造能力を構築する5億ポンド規模の計画を発表しました
Lucideonは、英国の戦略的な航空宇宙、防衛、原子力産業が世界市場で競争力を維持するために必要な先進材料について、安全で安定した国内製造・供給能力の構築を中心とする基本計画を策定しました。
画像は、Lucideonがセラミック基複合材料施設の建設を提案しているKeele Universityの敷地の完成予想図です。画像提供:Rudlin & Co
Lucideonは、ファーンボロー国際航空ショーで、CMCの製造に向けて開発を進めている最先端の技術とプロセスを紹介しました。同航空ショーには114か国から10万人を超える来場者が集まり、民間、軍事、宇宙分野から423の代表団が参加しました。
この取り組みを推進するため、「Oxide Ceramic Systems Limited」と「Non-Oxide Ceramic Systems Limited」の2社を新たに設立。施設の建設地には、スタッフォードシャー州のKeele University Science Parkが予定されています。地域産業を支援するとともに、供給体制の構築や海外からの投資を呼び込む上でも、戦略的な立地となります。
CMCは、セラミックマトリックスにセラミック繊維を組み込んだ複合材料で、軽量でありながら卓越した性能を発揮します。超高温環境に耐えるだけでなく、熱衝撃や機械的衝撃にも優れた耐性を備えています。
こうした特性から、CMCは世界的に将来有望な材料として急速に注目を集めています。一方、英国では現在、CMCを安定的に供給するための製造能力が不足しているのが現状です。
Stoneに本社を置くLucideonのCEO、Tony Kinsellaは次のように述べています。
「ファーンボロー国際航空ショーでは、CMC材料と、それを用いて製造される製品の重要性が明確に示されました。これらは英国の製造能力、安全保障、そして将来にとって極めて重要です。しかし英国では現在、市場の機能不全によって、航空宇宙、宇宙、原子力エネルギーなどの分野に必要なCMCを国内で製造する能力が確保されていません。
この状況は、持続不可能なサプライチェーン上の脆弱性を生み、英国のエネルギー安全保障だけでなく、より広範な安全保障能力に対するリスクを高めています。
英国を拠点とするセラミック基複合材料の製造施設を設立することで、国家安全保障とレジリエンスを強化し、国際的なサプライチェーンへの依存を軽減するとともに、ミッドランズ地域における高付加価値雇用の創出と産業競争力の向上につなげることができます。
これは、スタッフォードシャーが長年培ってきたセラミックスの歴史と専門知識を基盤とする、意欲的な計画です。
道のりは長いものの、重要なのは、英国を高成長が見込まれる先進材料技術のリーダーへと導くための歩みが、すでに始まっているということです。」
施設の整備には、今後7~10年間で5億ポンドを超える費用が必要になると見込まれています。設備、人材、研究、技術開発に加え、施設の建設、検証、認証なども含めた費用です。
Lucideonは、産業界のパートナーとのジョイントベンチャーを通じてこの計画を主導し、主要な研究開発パートナーとも連携します。計画の中核を担うのがThe AMRICC Centreです。
Stoneに拠点を置く英国の先進セラミックスセンター、The AMRICC Centreは、UK Research and Innovation(UKRI)のStrength in Places Fundから2021年にMidlands Industrial Ceramics Group(MICG)へ交付された1,827万ポンドの助成金を基盤として設立されました。この助成金は、ミッドランズを先進セラミックスのイノベーションと製造における世界的リーダーへと位置付けることを目的としたものです。
同センターでは、先進セラミックスのパイロット規模の設備をオープンアクセスで提供しており、MICGに代わってLucideonが運営・管理しています。
今回の計画には民間資金に加え、政府から2億ポンド強の投資が必要となる見込みです。
Tony Kinsellaはさらに、次のように述べています。
「The AMRICC Centreによって、英国には今後の発展に必要となる専門人材と設備が集積しました。また、公的部門と民間部門が連携し、市場投入可能なソリューションを生み出すというモデルが有効であることも、すでに実証されています。
次の段階として、酸化物系および非酸化物系複合材料を含む高品質なCMC材料と部品を製造することで、これを基盤に国内製造能力を構築し、特許上の問題や国際的なサプライチェーンの問題に左右されることなく、重要産業のニーズに応えることができます。」
Ceramics UKのChief Executive、Rob Flello氏は次のように述べています。
「この先進製造センターは、英国のセラミックス産業の将来に向けた大規模な投資です。
セラミックス業界全体ですでに進められている優れた取り組みをさらに発展させることで、イノベーションを強化し、高付加価値製造の成長を促進するとともに、英国の産業レジリエンスを高めることにつながります。
また、スタッフォードシャーが英国を代表するセラミックスの卓越拠点であるという評価を、さらに確固たるものにするでしょう。」
2026年8月